A         A         A         A

020 箴言 - Proverbs

聖書 - 口語訳 - (JCO)
 <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

* ----------------------------------------

箴言 第1章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33

1:1 ダビデの子、イスラエルの王ソロモンの箴言。
1:2 これは人に知恵と教訓とを知らせ、 悟りの言葉をさとらせ、
1:3 賢い行いと、正義と公正と 公平の教訓をうけさせ、
1:4 思慮のない者に悟りを与え、 若い者に知識と慎みを得させるためである。
1:5 賢い者はこれを聞いて学に進み、 さとい者は指導を得る。
 < 
1:6 人はこれによって箴言と、たとえと、 賢い者の言葉と、そのなぞとを悟る。
1:7 主を恐れることは知識のはじめである、 愚かな者は知恵と教訓を軽んじる。
1:8 わが子よ、あなたは父の教訓を聞き、 母の教を捨ててはならない。
1:9 それらは、あなたの頭の麗しい冠となり、 あなたの首の飾りとなるからである。
1:10 わが子よ、悪者があなたを誘っても、 それに従ってはならない。
 < 
1:11 彼らがあなたに向かって、「一緒に来なさい。 われわれは待ち伏せして、人の血を流し、 罪のない者を、ゆえなく伏してねらい、
1:12 陰府のように、彼らを生きたままで、のみ尽し、 健やかな者を、墓に下る者のようにしよう。
1:13 われわれは、さまざまの尊い貨財を得、 奪い取った物で、われわれの家を満たそう。
1:14 あなたもわれわれの仲間に加わりなさい、 われわれは共に一つの金袋を持とう」と言っても、
1:15 わが子よ、彼らの仲間になってはならない、 あなたの足をとどめて、彼らの道に行ってはならない。
 < 
1:16 彼らの足は悪に走り、 血を流すことに速いからだ。
1:17 すべて鳥の目の前で 網を張るのは、むだである。
1:18 彼らは自分の血を待ち伏せし、 自分の命を伏してねらうのだ。
1:19 すべて利をむさぼる者の道はこのようなものである。 これはその持ち主の命を取り去るのだ。
1:20 知恵は、ちまたに呼ばわり、 市場にその声をあげ、
 < 
1:21 城壁の頂で叫び、町の門の入口で語る。
1:22 「思慮のない者たちよ、あなたがたは、いつまで思慮のないことを好むのか。 あざける者は、いつまで、あざけり楽しみ、 愚かな者は、いつまで、知識を憎むのか。
1:23 わたしの戒めに心をとめよ、 見よ、わたしは自分の思いを、あなたがたに告げ、 わたしの言葉を、あなたがたに知らせる。
1:24 わたしは呼んだが、あなたがたは聞くことを拒み、 手を伸べたが、顧みる者はなく、
1:25 かえって、あなたがたはわたしのすべての勧めを捨て、 わたしの戒めを受けなかったので、
 < 
1:26 わたしもまた、あなたがたが災にあう時に、笑い、 あなたがたが恐慌にあう時、あざけるであろう。
1:27 これは恐慌が、あらしのようにあなたがたに臨み、 災が、つむじ風のように臨み、 悩みと悲しみとが、あなたがたに臨む時である。
1:28 その時、彼らはわたしを呼ぶであろう、 しかし、わたしは答えない。 ひたすら、わたしを求めるであろう、 しかし、わたしに会えない。
1:29 彼らは知識を憎み、主を恐れることを選ばず、
1:30 わたしの勧めに従わず、 すべての戒めを軽んじたゆえ、
 < 
1:31 自分の行いの実を食らい、 自分の計りごとに飽きる。
1:32 思慮のない者の不従順はおのれを殺し、 愚かな者の安楽はおのれを滅ぼす。
1:33 しかし、わたしに聞き従う者は安らかに住まい、 災に会う恐れもなく、安全である」。

* ----------------------------------------

箴言 第2章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

2:1 わが子よ、もしあなたが わたしの言葉を受け、 わたしの戒めを、あなたの心におさめ、
2:2 あなたの耳を知恵に傾け、 あなたの心を悟りに向け、
2:3 しかも、もし知識を呼び求め、 悟りを得ようと、あなたの声をあげ、
2:4 銀を求めるように、これを求め、 かくれた宝を尋ねるように、これを尋ねるならば、
2:5 あなたは、主を恐れることを悟り、 神を知ることができるようになる。
 < 
2:6 これは、主が知恵を与え、 知識と悟りとは、み口から出るからである。
2:7 彼は正しい人のために、確かな知恵をたくわえ、 誠実に歩む者の盾となって、
2:8 公正の道を保ち、その聖徒たちの道筋を守られる。
2:9 そのとき、あなたは、ついに正義と公正、 公平とすべての良い道を悟る。
2:10 これは知恵が、あなたの心にはいり、 知識があなたの魂に楽しみとなるからである。
 < 
2:11 慎みはあなたを守り、 悟りはあなたを保って、
2:12 悪の道からあなたを救い、 偽りをいう者から救う。
2:13 彼らは正しい道を離れて、暗い道に歩み、
2:14 悪を行うことを楽しみ、悪人の偽りを喜び、
2:15 その道は曲り、その行いは、よこしまである。
 < 
2:16 慎みと悟りはまたあなたを遊女から救い、 言葉の巧みな、みだらな女から救う。
2:17 彼女は若い時の友を捨て、 その神に契約したことを忘れている。
2:18 その家は死に下り、その道は陰府におもむく。
2:19 すべて彼女のもとへ行く者は、帰らない、 また命の道にいたらない。
2:20 こうして、あなたは善良な人々の道に歩み、 正しい人々の道を守ることができる。
 < 
2:21 正しい人は地にながらえ、 誠実な人は地にとどまる。
2:22 しかし悪しき者は地から断ち滅ぼされ、 不信実な者は地から抜き捨てられる。

* ----------------------------------------

箴言 第3章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35

3:1 わが子よ、わたしの教を忘れず、 わたしの戒めを心にとめよ。
3:2 そうすれば、これはあなたの日を長くし、 命の年を延べ、あなたに平安を増し加える。
3:3 いつくしみと、まこととを捨ててはならない、 それをあなたの首に結び、心の碑にしるせ。
3:4 そうすれば、あなたは神と人との前に 恵みと、誉とを得る。
3:5 心をつくして主に信頼せよ、 自分の知識にたよってはならない。
 < 
3:6 すべての道で主を認めよ、 そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。
3:7 自分を見て賢いと思ってはならない、 主を恐れて、悪を離れよ。
3:8 そうすれば、あなたの身を健やかにし、 あなたの骨に元気を与える。
3:9 あなたの財産と、 すべての産物の初なりをもって主をあがめよ。
3:10 そうすれば、あなたの倉は満ちて余り、 あなたの酒ぶねは新しい酒であふれる。
 < 
3:11 わが子よ、主の懲しめを軽んじてはならない、 その戒めをきらってはならない。
3:12 主は、愛する者を、戒められるからである、 あたかも父がその愛する子を戒めるように。
3:13 知恵を求めて得る人、 悟りを得る人はさいわいである。
3:14 知恵によって得るものは、 銀によって得るものにまさり、 その利益は精金よりも良いからである。
3:15 知恵は宝石よりも尊く、 あなたの望む何物も、これと比べるに足りない。
 < 
3:16 その右の手には長寿があり、 左の手には富と、誉がある。
3:17 その道は楽しい道であり、 その道筋はみな平安である。
3:18 知恵は、これを捕える者には命の木である、 これをしっかり捕える人はさいわいである。
3:19 主は知恵をもって地の基をすえ、 悟りをもって天を定められた。
3:20 その知識によって海はわきいで、雲は露をそそぐ。
 < 
3:21 わが子よ、確かな知恵と、慎みとを守って、 それをあなたの目から離してはならない。
3:22 それはあなたの魂の命となり あなたの首の飾りとなる。
3:23 こうして、あなたは安らかに自分の道を行き、 あなたの足はつまずくことがない。
3:24 あなたは座しているとき、恐れることはなく、 伏すとき、あなたの眠りはここちよい。
3:25 あなたはにわかに起る恐怖を恐れることなく、 悪しき者の滅びが来ても、それを恐れることはない。
 < 
3:26 これは、主があなたの信頼する者であり、 あなたの足を守って、 わなに捕われさせられないからである。
3:27 あなたの手に善をなす力があるならば、 これをなすべき人になすことを さし控えてはならない。
3:28 あなたが物を持っている時、その隣り人に向かい、 「去って、また来なさい。 あす、それをあげよう」と言ってはならない。
3:29 あなたの隣り人がかたわらに安らかに住んでいる時、 これに向かって、悪を計ってはならない。
3:30 もし人があなたに悪を行ったのでなければ、 ゆえなく、これと争ってはならない。
 < 
3:31 暴虐な人を、うらやんではならない、 そのすべての道を選んではならない。
3:32 よこしまな者は主に憎まれるからである、 しかし、正しい者は主に信任される。
3:33 主の、のろいは悪しき者の家にある、 しかし、正しい人のすまいは主に恵まれる。
3:34 彼はあざける者をあざけり、 へりくだる者に恵みを与えられる。
3:35 知恵ある者は、誉を得る、 しかし、愚かな者ははずかしめを得る。
 < 

* ----------------------------------------

箴言 第4章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

4:1 子供らよ、父の教を聞き、 悟りを得るために耳を傾けよ。
4:2 わたしは、良い教訓を、あなたがたにさずける。 わたしの教を捨ててはならない。
4:3 わたしもわが父には子であり、 わが母の目には、ひとりのいとし子であった。
4:4 父はわたしを教えて言った、 「わたしの言葉を、心に留め、 わたしの戒めを守って、命を得よ。
4:5 それを忘れることなく、 またわが口の言葉にそむいてはならない、 知恵を得よ、悟りを得よ。
 < 
4:6 知恵を捨てるな、それはあなたを守る。 それを愛せよ、それはあなたを保つ。
4:7 知恵の初めはこれである、知恵を得よ、 あなたが何を得るにしても、悟りを得よ。
4:8 それを尊べ、そうすれば、それはあなたを高くあげる、 もしそれをいだくならば、それはあなたを尊くする。
4:9 それはあなたの頭に麗しい飾りを置き、 栄えの冠をあなたに与える」。
4:10 わが子よ、聞け、わたしの言葉をうけいれよ、 そうすれば、あなたの命の年は多くなる。
 < 
4:11 わたしは知恵の道をあなたに教え、 正しい道筋にあなたを導いた。
4:12 あなたが歩くとき、その歩みは妨げられず、 走る時にも、つまずくことはない。
4:13 教訓をかたくとらえて、離してはならない、 それを守れ、それはあなたの命である。
4:14 よこしまな者の道に、はいってはならない、 悪しき者の道を歩んではならない。
4:15 それを避けよ、通ってはならない、 それを離れて進め。
 < 
4:16 彼らは悪を行わなければ眠ることができず、 人をつまずかせなければ、寝ることができず、
4:17 不正のパンを食らい、暴虐の酒を飲むからである。
4:18 正しい者の道は、夜明けの光のようだ、 いよいよ輝きを増して真昼となる。
4:19 悪しき人の道は暗やみのようだ、 彼らは何につまずくかを知らない。
4:20 わが子よ、わたしの言葉に心をとめ、 わたしの語ることに耳を傾けよ。
 < 
4:21 それを、あなたの目から離さず、 あなたの心のうちに守れ。
4:22 それは、これを得る者の命であり、 またその全身を健やかにするからである。
4:23 油断することなく、あなたの心を守れ、 命の泉は、これから流れ出るからである。
4:24 曲った言葉をあなたから捨てさり、 よこしまな談話をあなたから遠ざけよ。
4:25 あなたの目は、まっすぐに正面を見、 あなたのまぶたはあなたの前を、まっすぐに見よ。
 < 
4:26 あなたの足の道に気をつけよ、 そうすれば、あなたのすべての道は安全である。
4:27 右にも左にも迷い出てはならない、 あなたの足を悪から離れさせよ。

* ----------------------------------------

箴言 第5章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

5:1 わが子よ、わたしの知恵に心をとめ、 わたしの悟りに耳をかたむけよ。
5:2 これは、あなたが慎みを守り、 あなたのくちびるに知識を保つためである。
5:3 遊女のくちびるは蜜をしたたらせ、 その言葉は油よりもなめらかである。
5:4 しかしついには、彼女はにがよもぎのように苦く、 もろ刃のつるぎのように鋭くなる。
5:5 その足は死に下り、 その歩みは陰府の道におもむく。
 < 
5:6 彼女はいのちの道に心をとめず、 その道は人を迷わすが、彼女はそれを知らない。
5:7 子供らよ、今わたしの言うことを聞け、 わたしの口の言葉から、離れ去ってはならない。
5:8 あなたの道を彼女から遠く離し、 その家の門に近づいてはならない。
5:9 おそらくはあなたの誉を他人にわたし、 あなたの年を無慈悲な者にわたすに至る。
5:10 おそらくは他人があなたの資産によって満たされ、 あなたの労苦は他人の家に行く。
 < 
5:11 そしてあなたの終りが来て、 あなたの身と、からだが滅びるとき、泣き悲しんで、
5:12 言うであろう、「わたしは教訓をいとい、 心に戒めを軽んじ、
5:13 教師の声に聞き従わず、 わたしを教える者に耳を傾けず、
5:14 集まりの中、会衆のうちにあって、 わたしは、破滅に陥りかけた」と。
5:15 あなたは自分の水ためから水を飲み、 自分の井戸から、わき出す水を飲むがよい。
 < 
5:16 あなたの泉を、外にまきちらし、 水の流れを、ちまたに流してよかろうか。
5:17 それを自分だけのものとし、 他人を共にあずからせてはならない。
5:18 あなたの泉に祝福を受けさせ、 あなたの若い時の妻を楽しめ。
5:19 彼女は愛らしい雌じか、美しいしかのようだ。 いつも、その乳ぶさをもって満足し、 その愛をもって常に喜べ。
5:20 わが子よ、どうして遊女に迷い、 みだらな女の胸をいだくのか。
 < 
5:21 人の道は主の目の前にあり、 主はすべて、その行いを見守られる。
5:22 悪しき者は自分のとがに捕えられ、 自分の罪のなわにつながれる。
5:23 彼は、教訓がないために死に、 その愚かさの大きいことによって滅びる。

* ----------------------------------------

箴言 第6章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35

6:1 わが子よ、あなたがもし 隣り人のために保証人となり、 他人のために手をうって誓ったならば、
6:2 もしあなたのくちびるの言葉によって、わなにかかり、 あなたの口の言葉によって捕えられたならば、
6:3 わが子よ、その時はこうして、おのれを救え、 あなたは隣り人の手に陥ったのだから。 急いで行って、隣り人にひたすら求めよ。
6:4 あなたの目を眠らせず、 あなたのまぶたを、まどろませず、
6:5 かもしかが、かりゅうどの手からのがれるように、 鳥が鳥を取る者の手からのがれるように、 おのれを救え。
 < 
6:6 なまけ者よ、ありのところへ行き、 そのすることを見て、知恵を得よ。
6:7 ありは、かしらなく、つかさなく、王もないが、
6:8 夏のうちに食物をそなえ、 刈入れの時に、かてを集める。
6:9 なまけ者よ、いつまで寝ているのか、 いつ目をさまして起きるのか。
6:10 しばらく眠り、しばらくまどろみ、 手をこまぬいて、またしばらく休む。
 < 
6:11 それゆえ、貧しさは盗びとのようにあなたに来り、 乏しさは、つわもののようにあなたに来る。
6:12 よこしまな人、悪しき人は 偽りの言葉をもって行きめぐり、
6:13 目でめくばせし、足で踏み鳴らし、指で示し、
6:14 よこしまな心をもって悪を計り、 絶えず争いをおこす。
6:15 それゆえ、災は、にわかに彼に臨み、 たちまちにして打ち敗られ、助かることはない。
 < 
6:16 主の憎まれるものが六つある、 否、その心に、忌みきらわれるものが七つある。
6:17 すなわち、高ぶる目、偽りを言う舌、 罪なき人の血を流す手、
6:18 悪しき計りごとをめぐらす心、 すみやかに悪に走る足、
6:19 偽りをのべる証人、 また兄弟のうちに争いをおこす人がこれである。
6:20 わが子よ、あなたの父の戒めを守り、 あなたの母の教を捨てるな。
 < 
6:21 つねに、これをあなたの心に結び、 あなたの首のまわりにつけよ。
6:22 これは、あなたが歩くとき、あなたを導き、 あなたが寝るとき、あなたを守り、 あなたが目ざめるとき、あなたと語る。
6:23 戒めはともしびである、教は光である、 教訓の懲しめは命の道である。
6:24 これは、あなたを守って、悪い女に近づかせず、 みだらな女の、巧みな舌に惑わされぬようにする。
6:25 彼女の麗しさを心に慕ってはならない、 そのまぶたに捕えられてはならない。
 < 
6:26 遊女は一塊のパンのために雇われる、 しかし、みだらな女は人の尊い命を求める。
6:27 人は火を、そのふところにいだいて その着物が焼かれないであろうか。
6:28 また人は、熱い火を踏んで、 その足が、焼かれないであろうか。
6:29 その隣の妻と不義を行う者も、それと同じだ。 すべて彼女に触れる者は罰を免れることはできない。
6:30 盗びとが飢えたとき、 その飢えを満たすために盗むならば、 人は彼を軽んじないであろうか。
 < 
6:31 もし捕えられたなら、その七倍を償い、 その家の貨財を、ことごとく出さなければならない。
6:32 女と姦淫を行う者は思慮がない。 これを行う者はおのれを滅ぼし、
6:33 傷と、はずかしめとを受けて、 その恥をすすぐことができない。
6:34 ねたみは、その夫を激しく怒らせるゆえ、 恨みを報いるとき、容赦することはない。
6:35 どのようなあがない物をも顧みず、 多くの贈り物をしても、和らがない。
 < 

* ----------------------------------------

箴言 第7章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

7:1 わが子よ、わたしの言葉を守り、 わたしの戒めをあなたの心にたくわえよ。
7:2 わたしの戒めを守って命を得よ、 わたしの教を守ること、ひとみを守るようにせよ。
7:3 これをあなたの指にむすび、 これをあなたの心の碑にしるせ。
7:4 知恵に向かって、「あなたはわが姉妹だ」と言い、 悟りに向かっては、あなたの友と呼べ。
7:5 そうすれば、これはあなたを守って遊女に迷わせず、 言葉巧みな、みだらな女に近づかせない。
 < 
7:6 わたしはわが家の窓により、 格子窓から外をのぞいて、
7:7 思慮のない者のうちに、若い者のうちに、 ひとりの知恵のない若者のいるのを見た。
7:8 彼はちまたを過ぎ、女の家に行く曲りかどに近づき、 その家に行く道を、
7:9 たそがれに、よいに、 また夜中に、また暗やみに歩いていった。
7:10 見よ、遊女の装いをした陰険な女が彼に会う。
 < 
7:11 この女は、騒がしくて、慎みなく、 その足は自分の家にとどまらず、
7:12 ある時はちまたにあり、ある時は市場にあり、 すみずみに立って人をうかがう。
7:13 この女は彼を捕えて口づけし、 恥しらぬ顔で彼に言う、
7:14 「わたしは酬恩祭をささげなければならなかったが、 きょう、その誓いを果しました。
7:15 それでわたしはあなたを迎えようと出て、 あなたを尋ね、あなたに会いました。
 < 
7:16 わたしは床に美しい、しとねと、 エジプトのあや布を敷き、
7:17 没薬、ろかい、桂皮をもって わたしの床をにおわせました。
7:18 さあ、わたしたちは夜が明けるまで、 情をつくし、愛をかわして楽しみましょう。
7:19 夫は家にいません、 遠くへ旅立ち、
7:20 手に金袋を持って出ました。 満月になるまでは帰りません」と。
 < 
7:21 女が多くの、なまめかしい言葉をもって彼を惑わし、 巧みなくちびるをもって、いざなうと、
7:22 若い人は直ちに女に従った、 あたかも牛が、ほふり場に行くように、 雄じかが、すみやかに捕えられ、
7:23 ついに、矢がその内臓を突き刺すように、 鳥がすみやかに網にかかるように、 彼は自分が命を失うようになることを知らない。
7:24 子供らよ、今わたしの言うことを聞き、 わが口の言葉に耳を傾けよ。
7:25 あなたの心を彼女の道に傾けてはならない、 またその道に迷ってはならない。
 < 
7:26 彼女は多くの人を傷つけて倒した、 まことに、彼女に殺された者は多い。
7:27 その家は陰府へ行く道であって、 死のへやへ下って行く。

* ----------------------------------------

箴言 第8章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36

8:1 知恵は呼ばわらないのか、 悟りは声をあげないのか。
8:2 これは道のほとりの高い所の頂、 また、ちまたの中に立ち、
8:3 町の入口にあるもろもろの門のかたわら、 正門の入口で呼ばわって言う、
8:4 「人々よ、わたしはあなたがたに呼ばわり、 声をあげて人の子らを呼ぶ。
8:5 思慮のない者よ、悟りを得よ、 愚かな者よ、知恵を得よ。
 < 
8:6 聞け、わたしは高貴な事を語り、 わがくちびるは正しい事を語り出す。
8:7 わが口は真実を述べ、 わがくちびるは悪しき事を憎む。
8:8 わが口の言葉はみな正しい、 そのうちに偽りと、よこしまはない。
8:9 これはみな、さとき者の明らかにするところ、 知識を得る者の正しとするところである。
8:10 あなたがたは銀を受けるよりも、わたしの教を受けよ、 精金よりも、むしろ知識を得よ。
 < 
8:11 知恵は宝石にまさり、 あなたがたの望むすべての物は、 これと比べるにたりない。
8:12 知恵であるわたしは悟りをすみかとし、 知識と慎みとをもつ。
8:13 主を恐れるとは悪を憎むことである。 わたしは高ぶりと、おごりと、悪しき道と、 偽りの言葉とを憎む。
8:14 計りごとと、確かな知恵とは、わたしにある、 わたしには悟りがあり、わたしには力がある。
8:15 わたしによって、王たる者は世を治め、 君たる者は正しい定めを立てる。
 < 
8:16 わたしによって、主たる者は支配し、 つかさたる者は地を治める。
8:17 わたしは、わたしを愛する者を愛する、 わたしをせつに求める者は、わたしに出会う。
8:18 富と誉とはわたしにあり、 すぐれた宝と繁栄もまたそうである。
8:19 わたしの実は金よりも精金よりも良く、 わたしの産物は精銀にまさる。
8:20 わたしは正義の道、公正な道筋の中を歩み、
 < 
8:21 わたしを愛する者に宝を得させ、 またその倉を満ちさせる。
8:22 主が昔そのわざをなし始められるとき、 そのわざの初めとして、わたしを造られた。
8:23 いにしえ、地のなかった時、 初めに、わたしは立てられた。
8:24 まだ海もなく、また大いなる水の泉もなかった時、 わたしはすでに生れ、
8:25 山もまだ定められず、丘もまだなかった時、 わたしはすでに生れた。
 < 
8:26 すなわち神がまだ地をも野をも、 地のちりのもとをも造られなかった時である。
8:27 彼が天を造り、海のおもてに、大空を張られたとき、 わたしはそこにあった。
8:28 彼が上に空を堅く立たせ、 淵の泉をつよく定め、
8:29 海にその限界をたて、 水にその岸を越えないようにし、 また地の基を定められたとき、
8:30 わたしは、そのかたわらにあって、名匠となり、 日々に喜び、常にその前に楽しみ、
 < 
8:31 その地で楽しみ、 また世の人を喜んだ。
8:32 それゆえ、子供らよ、今わたしの言うことを聞け、 わたしの道を守る者はさいわいである。
8:33 教訓を聞いて、知恵を得よ、 これを捨ててはならない。
8:34 わたしの言うことを聞き、 日々わたしの門のかたわらでうかがい、 わたしの戸口の柱のわきで待つ人はさいわいである。
8:35 それは、わたしを得る者は命を得、 主から恵みを得るからである。
 < 
8:36 わたしを失う者は自分の命をそこなう、 すべてわたしを憎む者は死を愛する者である」。

* ----------------------------------------

箴言 第9章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18

9:1 知恵は自分の家を建て、 その七つの柱を立て、
9:2 獣をほふり、酒を混ぜ合わせて、 ふるまいを備え、
9:3 はしためをつかわして、 町の高い所で呼ばわり言わせた、
9:4 「思慮のない者よ、ここに来れ」と。 また、知恵のない者に言う、
9:5 「来て、わたしのパンを食べ、 わたしの混ぜ合わせた酒をのみ、
 < 
9:6 思慮のないわざを捨てて命を得、 悟りの道を歩め」と。
9:7 あざける者を戒める者は、自ら恥を得、 悪しき者を責める者は自ら傷を受ける。
9:8 あざける者を責めるな、 おそらく彼はあなたを憎むであろう。 知恵ある者を責めよ、彼はあなたを愛する。
9:9 知恵ある者に教訓を授けよ、 彼はますます知恵を得る。 正しい者を教えよ、彼は学に進む。
9:10 主を恐れることは知恵のもとである、 聖なる者を知ることは、悟りである。
 < 
9:11 わたしによって、あなたの日は多くなり、 あなたの命の年は増す。
9:12 もしあなたに知恵があるならば、 あなた自身のために知恵があるのである。 もしあなたがあざけるならば、 あなたひとりがその責めを負うことになる。
9:13 愚かな女は、騒がしく、みだらで、恥を知らない。
9:14 彼女はその家の戸口に座し、 町の高い所にある座にすわり、
9:15 道を急ぐ行き来の人を招いて言う、
 < 
9:16 「思慮のない者よ、ここに来れ」と。 また知恵のない人に向かってこれに言う、
9:17 「盗んだ水は甘く、 ひそかに食べるパンはうまい」と。
9:18 しかしその人は、死の影がそこにあることを知らず、 彼女の客は陰府の深みにおることを知らない。

* ----------------------------------------

箴言 第10章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32

10:1 ソロモンの箴言。 知恵ある子は父を喜ばせ、 愚かな子は母の悲しみとなる。
10:2 不義の宝は益なく、 正義は人を救い出して、死を免れさせる。
10:3 主は正しい人を飢えさせず、 悪しき者の欲望をくじかれる。
10:4 手を動かすことを怠る者は貧しくなり、 勤め働く者の手は富を得る。
10:5 夏のうちに集める者は賢い子であり、 刈入れの時に眠る者は恥をきたらせる子である。
 < 
10:6 正しい者のこうべには祝福があり、 悪しき者の口は暴虐を隠す。
10:7 正しい者の名はほめられ、 悪しき者の名は朽ちる。
10:8 心のさとき者は戒めを受ける、 むだ口をたたく愚かな者は滅ぼされる。
10:9 まっすぐに歩む者の歩みは安全である、 しかし、その道を曲げる者は災にあう。
10:10 目で、めくばせする者は憂いをおこし、 あからさまに、戒める者は平和をきたらせる。
 < 
10:11 正しい者の口は命の泉である、 悪しき者の口は暴虐を隠す。
10:12 憎しみは、争いを起し、 愛はすべてのとがをおおう。
10:13 さとき者のくちびるには知恵があり、 知恵のない者の背にはむちがある。
10:14 知恵ある者は知識をたくわえる、 愚かな者のむだ口は、今にも滅びをきたらせる。
10:15 富める者の宝は、その堅き城であり、 貧しい者の乏しきは、その滅びである。
 < 
10:16 正しい者の受ける賃銀は命に導き、 悪しき者の利得は罪に至る。
10:17 教訓を守る者は命の道にあり、 懲しめを捨てる者は道をふみ迷う。
10:18 憎しみを隠す者には偽りのくちびるがあり、 そしりを口に出す者は愚かな者である。
10:19 言葉が多ければ、とがを免れない、 自分のくちびるを制する者は知恵がある。
10:20 正しい者の舌は精銀である、 悪しき者の心は価値が少ない。
 < 
10:21 正しい者のくちびるは多くの人を養い、 愚かな者は知恵がなくて死ぬ。
10:22 主の祝福は人を富ませる、 主はこれになんの悲しみをも加えない。
10:23 愚かな者は、戯れ事のように悪を行う、 さとき人には賢い行いが楽しみである。
10:24 悪しき者の恐れることは自分に来り、 正しい者の願うことは与えられる。
10:25 あらしが通りすぎる時、 悪しき者は、もはや、いなくなり、 正しい者は永久に堅く立てられる。
 < 
10:26 なまけ者は、これをつかわす者にとっては、 酢が歯をいため、煙が目を悩ますようなものだ。
10:27 主を恐れることは人の命の日を多くする、 悪しき者の年は縮められる。
10:28 正しい者の望みは喜びに終り、 悪しき者の望みは絶える。
10:29 主は、まっすぐに歩む者には城であり、 悪を行う者には滅びである。
10:30 正しい者はいつまでも動かされることはない、 悪しき者は、地に住むことができない。
 < 
10:31 正しい者の口は知恵をいだし、 偽りの舌は抜かれる。
10:32 正しい者のくちびるは喜ばるべきことをわきまえ、 悪しき者の口は偽りを語る。

* ----------------------------------------

箴言 第11章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

11:1 偽りのはかりは主に憎まれ、 正しいふんどうは彼に喜ばれる。
11:2 高ぶりが来れば、恥もまた来る、 へりくだる者には知恵がある。
11:3 正しい者の誠実はその人を導き、 不信実な者のよこしまはその人を滅ぼす。
11:4 宝は怒りの日に益なく、 正義は人を救い出して、死を免れさせる。
11:5 誠実な者は、その正義によって、 その道をまっすぐにせられ、 悪しき者は、その悪によって倒れる。
 < 
11:6 正しい者はその正義によって救われ、 不信実な者は自分の欲によって捕えられる。
11:7 悪しき者は死ぬとき、その望みは絶え、 不信心な者の望みもまた絶える。
11:8 正しい者は、悩みから救われ、 悪しき者は代ってそれに陥る。
11:9 不信心な者はその口をもって隣り人を滅ぼす、 正しい者は知識によって救われる。
11:10 正しい者が、しあわせになれば、その町は喜び、 悪しき者が滅びると、喜びの声がおこる。
 < 
11:11 町は正しい者の祝福によって、高くあげられ、 悪しき者の口によって、滅ぼされる。
11:12 隣り人を侮る者は知恵がない、 さとき人は口をつぐむ。
11:13 人のよしあしを言いあるく者は秘密をもらす、 心の忠信なる者は事を隠す。
11:14 指導者がなければ民は倒れ、 助言者が多ければ安全である。
11:15 他人のために保証をする者は苦しみをうけ、 保証をきらう者は安全である。
 < 
11:16 しとやかな女は、誉を得、 強暴な男は富を得る。
11:17 いつくしみある者はおのれ自身に益を得、 残忍な者はおのれの身をそこなう。
11:18 悪しき者の得る報いはむなしく、 正義を播く者は確かな報いを得る。
11:19 正義を堅く保つ者は命に至り、 悪を追い求める者は死を招く。
11:20 心のねじけた者は主に憎まれ、 まっすぐに道を歩む者は彼に喜ばれる。
 < 
11:21 確かに、悪人は罰を免れない、 しかし正しい人は救を得る。
11:22 美しい女の慎みがないのは、 金の輪の、ぶたの鼻にあるようだ。
11:23 正しい者の願いは、すべて良い結果を得、 悪しき者の望みは怒りに至る。
11:24 施し散らして、なお富を増す人があり、 与えるべきものを惜しんで、 かえって貧しくなる者がある。
11:25 物惜しみしない者は富み、 人を潤す者は自分も潤される。
 < 
11:26 穀物を、しまい込んで売らない者は民にのろわれる、 それを売る者のこうべには祝福がある。
11:27 善を求める者は恵みを得る、 悪を求める者には悪が来る。
11:28 自分の富を頼む者は衰える、 正しい者は木の青葉のように栄える。
11:29 自分の家族を苦しめる者は風を所有とする、 愚かな者は心のさとき者のしもべとなる。
11:30 正しい者の結ぶ実は命の木である、 不法な者は人の命をとる。
 < 
11:31 もし正しい者がこの世で罰せられるならば、 悪しき者と罪びととは、なおさらである。

* ----------------------------------------

箴言 第12章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

12:1 戒めを愛する人は知識を愛する、 懲しめを憎む者は愚かである。
12:2 善人は主の恵みをうけ、 悪い計りごとを設ける人は主に罰せられる。
12:3 人は悪をもって堅く立つことはできない、 正しい人の根は動くことはない。
12:4 賢い妻はその夫の冠である、 恥をこうむらせる妻は 夫の骨に生じた腐れのようなものである。
12:5 正しい人の考えは公正である、 悪しき者の計ることは偽りである。
 < 
12:6 悪しき者の言葉は、人の血を流そうとうかがう、 正しい人の口は人を救う。
12:7 悪しき者は倒されて、うせ去る、 正しい人の家は堅く立つ。
12:8 人はその悟りにしたがって、ほめられ、 心のねじけた者は、卑しめられる。
12:9 身分の低い人でも自分で働く者は、 みずから高ぶって食に乏しい者にまさる。
12:10 正しい人はその家畜の命を顧みる、 悪しき者は残忍をもって、あわれみとする。
 < 
12:11 自分の田地を耕す者は食糧に飽きる、 無益な事に従う者は知恵がない。
12:12 悪しき者の堅固なやぐらは崩壊する、 正しい人の根は堅く立つ。
12:13 悪人はくちびるのとがによって、わなに陥る、 しかし正しい人は悩みをのがれる。
12:14 人はその口の実によって、幸福に満ち足り、 人の手のわざは、その人の身に帰る。
12:15 愚かな人の道は、自分の目に正しく見える、 しかし知恵ある者は勧めをいれる。
 < 
12:16 愚かな人は、すぐに怒りをあらわす、 しかし賢い人は、はずかしめをも気にとめない。
12:17 真実を語る人は正しい証言をなし、 偽りの証人は偽りを言う。
12:18 つるぎをもって刺すように、 みだりに言葉を出す者がある、 しかし知恵ある人の舌は人をいやす。
12:19 真実を言うくちびるは、いつまでも保つ、 偽りを言う舌は、ただ、まばたきの間だけである。
12:20 悪をたくらむ者の心には欺きがあり、 善をはかる人には喜びがある。
 < 
12:21 正しい人にはなんの害悪も生じない、 しかし悪しき者は災をもって満たされる。
12:22 偽りを言うくちびるは主に憎まれ、 真実を行う者は彼に喜ばれる。
12:23 さとき人は知識をかくす、 しかし愚かな者は自分の愚かなことをあらわす。
12:24 勤め働く者の手はついに人を治める、 怠る者は人に仕えるようになる。
12:25 心に憂いがあればその人をかがませる、 しかし親切な言葉はその人を喜ばせる。
 < 
12:26 正しい人は悪を離れ去る、 しかし悪しき者は自ら道に迷う。
12:27 怠る者は自分の獲物を捕えない、 しかし勤め働く人は尊い宝を獲る。
12:28 正義の道には命がある、 しかし誤りの道は死に至る。

* ----------------------------------------

箴言 第13章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

13:1 知恵ある子は父の教訓をきく、 あざける者は、懲しめをきかない。
13:2 善良な人はその口の実によって、幸福を得る、 不信実な者の願いは、暴虐である。
13:3 口を守る者はその命を守る、 くちびるを大きく開く者には滅びが来る。
13:4 なまけ者の心は、願い求めても、何も得ない、 しかし勤め働く者の心は豊かに満たされる。
13:5 正しい人は偽りを憎む、 しかし悪しき人は恥ずべく、忌まわしくふるまう。
 < 
13:6 正義は道をまっすぐ歩む者を守り、 罪は悪しき者を倒す。
13:7 富んでいると偽って、何も持たない者がいる、 貧しいと偽って、多くの富を持つ者がいる。
13:8 人の富はその命をあがなう、 しかし貧しい者にはあがなうべき富がない。
13:9 正しい者の光は輝き、 悪しき者のともしびは消される。
13:10 高ぶりはただ争いを生じる、 勧告をきく者は知恵がある。
 < 
13:11 急いで得た富は減る、 少しずつたくわえる者はそれを増すことができる。
13:12 望みを得ることが長びくときは、心を悩ます、 願いがかなうときは、命の木を得たようだ。
13:13 み言葉を軽んじる者は滅ぼされ、 戒めを重んじる者は報いを得る。
13:14 知恵ある人の教は命の泉である、 これによって死のわなをのがれることができる。
13:15 善良な賢い者は恵みを得る、 しかし、不信実な者の道は滅びである。
 < 
13:16 おおよそ、さとき者は知識によって事をおこない、 愚かな者は自分の愚を見せびらかす。
13:17 悪しき使者は人を災におとしいれる、 しかし忠実な使者は人を救う。
13:18 貧乏と、はずかしめとは教訓を捨てる者に来る、 しかし戒めを守る者は尊ばれる。
13:19 願いがかなえば、心は楽しい、 愚かな者は悪を捨てることをきらう。
13:20 知恵ある者とともに歩む者は知恵を得る。 愚かな者の友となる者は害をうける。
 < 
13:21 災は罪びとを追い、 正しい者は良い報いを受ける。
13:22 善良な人はその嗣業を子孫にのこす、 しかし罪びとの富は正しい人のためにたくわえられる。
13:23 貧しい人の新田は多くの食糧を産する、 しかし不正によれば押し流される。
13:24 むちを加えない者はその子を憎むのである、 子を愛する者は、つとめてこれを懲らしめる。
13:25 正しい者は食べてその食欲を満たす、 しかし悪しき者の腹は満たされない。
 < 

* ----------------------------------------

箴言 第14章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35

14:1 知恵はその家を建て、 愚かさは自分の手でそれをこわす。
14:2 まっすぐに歩む者は主を恐れる、 曲って歩む者は主を侮る。
14:3 愚かな者の言葉は自分の背にむちを当てる、 知恵ある者のくちびるはその身を守る。
14:4 牛がなければ穀物はない、 牛の力によって農作物は多くなる。
14:5 真実な証人はうそをいわない、 偽りの証人はうそをつく。
 < 
14:6 あざける者は知恵を求めても得られない、 さとき者は知識を得ることがたやすい。
14:7 愚かな者の前を離れ去れ、 そこには知識の言葉がないからである。
14:8 さとき者の知恵は自分の道をわきまえることにあり、 愚かな者の愚かは、欺くことにある。
14:9 神は悪しき者をあざけられる、 正しい者は、その恵みを受ける。
14:10 心の苦しみは心みずからが知る、 その喜びには他人はあずからない。
 < 
14:11 悪しき者の家は滅ぼされ、 正しい者の幕屋は栄える。
14:12 人が見て自ら正しいとする道でも、 その終りはついに死に至る道となるものがある。
14:13 笑う時にも心に悲しみがあり、 喜びのはてに憂いがある。
14:14 心のもとれる者はそのしわざの実を刈り取り、 善良な人もまたその行いの実を刈り取る。
14:15 思慮のない者はすべてのことを信じる、 さとき者は自分の歩みを慎む。
 < 
14:16 知恵ある者は用心ぶかく、悪を離れる、 愚かな者は高ぶって用心しない。
14:17 怒りやすい者は愚かなことを行い、 賢い者は忍耐強い。
14:18 思慮のない者は愚かなことを自分のものとする、 さとき者は知識をもって冠とする。
14:19 悪人は善人の前にひれ伏し、 悪しき者は正しい者の門にひれ伏す。
14:20 貧しい者はその隣にさえも憎まれる、 しかし富める者は多くの友をもつ。
 < 
14:21 隣り人を卑しめる者は罪びとである、 貧しい人をあわれむ者はさいわいである。
14:22 悪を計る者はおのれを誤るではないか、 善を計る者にはいつくしみと、まこととがある。
14:23 すべての勤労には利益がある、 しかし口先だけの言葉は貧乏をきたらせるだけだ。
14:24 知恵ある者の冠はその知恵である、 愚かな者の花の冠はただ愚かさである。
14:25 まことの証人は人の命を救う、 偽りを吐く者は裏切者である。
 < 
14:26 主を恐れることによって人は安心を得、 その子らはのがれ場を得る。
14:27 主を恐れることは命の泉である、 人を死のわなからのがれさせる。
14:28 王の栄えは民の多いことにあり、 君の滅びは民を失うことにある。
14:29 怒りをおそくする者は大いなる悟りがあり、 気の短い者は愚かさをあらわす。
14:30 穏やかな心は身の命である、 しかし興奮は骨を腐らせる。
 < 
14:31 貧しい者をしえたげる者はその造り主を侮る、 乏しい者をあわれむ者は、主をうやまう。
14:32 悪しき者はその悪しき行いによって滅ぼされ、 正しい者はその正しきによって、のがれ場を得る。
14:33 知恵はさとき者の心にとどまり、 愚かな者の心に知られない。
14:34 正義は国を高くし、 罪は民をはずかしめる。
14:35 賢いしもべは王の恵みをうけ、 恥をきたらす者はその怒りにあう。
 < 

* ----------------------------------------

箴言 第15章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33

15:1 柔かい答は憤りをとどめ、 激しい言葉は怒りをひきおこす。
15:2 知恵ある者の舌は知識をわかち与え、 愚かな者の口は愚かを吐き出す。
15:3 主の目はどこにでもあって、 悪人と善人とを見張っている。
15:4 優しい舌は命の木である、 乱暴な言葉は魂を傷つける。
15:5 愚かな者は父の教訓を軽んじる、 戒めを守る者は賢い者である。
 < 
15:6 正しい者の家には多くの宝がある、 悪しき者の所得には煩いがある。
15:7 知恵ある者のくちびるは知識をひろめる、 愚かな者の心はそうでない。
15:8 悪しき者の供え物は主に憎まれ、 正しい者の祈は彼に喜ばれる。
15:9 悪しき者の道は主に憎まれ、 正義を求める者は彼に愛せられる。
15:10 道を捨てる者には、きびしい懲しめがあり、 戒めを憎む者は死に至る。
 < 
15:11 陰府と滅びとは主の目の前にあり、 人の心はなおさらである。
15:12 あざける者は戒められることを好まない、 また知恵ある者に近づかない。
15:13 心に楽しみがあれば顔色も喜ばしい、 心に憂いがあれば気はふさぐ。
15:14 さとき者の心は知識をたずね、 愚かな者の口は愚かさを食物とする。
15:15 悩んでいる者の日々はことごとくつらく、 心の楽しい人は常に宴会をもつ。
 < 
15:16 少しの物を所有して主を恐れるのは、 多くの宝をもって苦労するのにまさる。
15:17 野菜を食べて互に愛するのは、 肥えた牛を食べて互に憎むのにまさる。
15:18 憤りやすい者は争いをおこし、 怒りをおそくする者は争いをとどめる。
15:19 なまけ者の道には、いばらがはえしげり、 正しい者の道は平らかである。
15:20 知恵ある子は父を喜ばせる、 愚かな人はその母を軽んじる。
 < 
15:21 無知な者は愚かなことを喜び、 さとき者はまっすぐに歩む。
15:22 相はかることがなければ、計画は破れる、 はかる者が多ければ、それは必ず成る。
15:23 人は口から出る好ましい答によって喜びを得る、 時にかなった言葉は、いかにも良いものだ。
15:24 知恵ある人の道は上って命に至る、 こうしてその人は下にある陰府を離れる。
15:25 主は高ぶる者の家を滅ぼし、 やもめの地境を定められる。
 < 
15:26 悪人の計りごとは主に憎まれ、 潔白な人の言葉は彼に喜ばれる。
15:27 不正な利をむさぼる者はその家を煩らわせる、 まいないを憎む者は生きながらえる。
15:28 正しい者の心は答えるべきことを考える、 悪しき者の口は悪を吐き出す。
15:29 主は悪しき者に遠ざかり、正しい者の祈を聞かれる。
15:30 目の光は心を喜ばせ、 よい知らせは骨を潤す。
 < 
15:31 ためになる戒めを聞く耳をもつ者は、 知恵ある者の中にとどまる。
15:32 教訓を捨てる者はおのれの命を軽んじ、 戒めを重んじる者は悟りを得る。
15:33 主を恐れることは知恵の教訓である、 謙遜は、栄誉に先だつ。

* ----------------------------------------

箴言 第16章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33

16:1 心にはかることは人に属し、 舌の答は主から出る。
16:2 人の道は自分の目にことごとく潔しと見える、 しかし主は人の魂をはかられる。
16:3 あなたのなすべき事を主にゆだねよ、 そうすれば、あなたの計るところは必ず成る。
16:4 主はすべての物をおのおのその用のために造り、 悪しき人をも災の日のために造られた。
16:5 すべて心に高ぶる者は主に憎まれる、 確かに、彼は罰を免れない。
 < 
16:6 いつくしみとまことによって、とがはあがなわれる、 主を恐れることによって、人は悪を免れる。
16:7 人の道が主を喜ばせる時、 主はその人の敵をもその人と和らがせられる。
16:8 正義によって得たわずかなものは、 不義によって得た多くの宝にまさる。
16:9 人は心に自分の道を考え計る、 しかし、その歩みを導く者は主である。
16:10 王のくちびるには神の決定がある、 さばきをするとき、その口に誤りがない。
 < 
16:11 正しいはかりと天びんとは主のものである、 袋にあるふんどうもすべて彼の造られたものである。
16:12 悪を行うことは王の憎むところである、 その位が正義によって堅く立っているからである。
16:13 正しいくちびるは王に喜ばれる、 彼は正しい事を言う者を愛する。
16:14 王の怒りは死の使者である、 知恵ある人はこれをなだめる。
16:15 王の顔の光には命がある、 彼の恵みは春雨をもたらす雲のようだ。
 < 
16:16 知恵を得るのは金を得るのにまさる、 悟りを得るのは銀を得るよりも望ましい。
16:17 悪を離れることは正しい人の道である、 自分の道を守る者はその魂を守る。
16:18 高ぶりは滅びにさきだち、 誇る心は倒れにさきだつ。
16:19 へりくだって貧しい人々と共におるのは、 高ぶる者と共にいて、獲物を分けるにまさる。
16:20 慎んで、み言葉をおこなう者は栄える、 主に寄り頼む者はさいわいである。
 < 
16:21 心に知恵ある者はさとき者ととなえられる、 くちびるが甘ければ、 その教に人を説きつける力を増す。
16:22 知恵はこれを持つ者に命の泉となる、 しかし、愚かさは愚かな者の受ける懲しめである。
16:23 知恵ある者の心はその言うところを賢くし、 またそのくちびるに人を説きつける力を増す。
16:24 ここちよい言葉は蜂蜜のように、 魂に甘く、からだを健やかにする。
16:25 人が見て自分で正しいとする道があり、 その終りはついに死にいたる道となるものがある。
 < 
16:26 ほねおる者は飲食のためにほねおる、 その口が自分に迫るからである。
16:27 よこしまな人は悪を企てる、 そのくちびるには激しい火のようなものがある。
16:28 偽る者は争いを起し、 つげ口する者は親しい友を離れさせる。
16:29 しえたげる者はその隣り人をいざない、 これを良くない道に導く。
16:30 めくばせする者は悪を計り、 くちびるを縮める者は悪事をなし遂げる。
 < 
16:31 しらがは栄えの冠である、 正しく生きることによってそれが得られる。
16:32 怒りをおそくする者は勇士にまさり、 自分の心を治める者は城を攻め取る者にまさる。
16:33 人はくじをひく、 しかし事を定めるのは全く主のことである。

* ----------------------------------------

箴言 第17章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

17:1 平穏であって、 ひとかたまりのかわいたパンのあるのは、 争いがあって、食物の豊かな家にまさる。
17:2 賢いしもべは身持の悪いむすこを治め、 かつ、その兄弟たちの中にあって、 資産の分け前を獲る。
17:3 銀を試みるものはるつぼ、金を試みるものは炉、 人の心を試みるものは主である。
17:4 悪を行う者は偽りのくちびるに聞き、 偽りをいう者は悪しき舌に耳を傾ける。
17:5 貧しい者をあざける者はその造り主を侮る、 人の災を喜ぶ者は罰を免れない。
 < 
17:6 孫は老人の冠である、 父は子の栄えである。
17:7 すぐれた言葉は愚かな者には似合わない、 まして偽りを言うくちびるは 君たる者には似合わない。
17:8 まいないはこれを贈る人の目には幸運の玉のようだ、 その向かう所、どこでも彼は栄える。
17:9 愛を追い求める人は人のあやまちをゆるす、 人のことを言いふらす者は友を離れさせる。
17:10 一度の戒めがさとき人に徹するのは、 百度の懲しめが愚かな人に徹するよりも深い。
 < 
17:11 悪しき者はただ、そむく事のみを求める、 それゆえ、彼に向かっては残忍な使者がつかわされる。
17:12 愚かな者が愚かな事をするのに会うよりは、 子をとられた雌ぐまに会うほうがよい。
17:13 悪をもて善に報いる者は、 悪がその家を離れることがない。
17:14 争いの初めは水がもれるのに似ている、 それゆえ、けんかの起らないうちにそれをやめよ。
17:15 悪しき者を正しいとする者、正しい者を悪いとする者、 この二つの者はともに主に憎まれる。
 < 
17:16 愚かな者はすでに心がないのに、 どうして知恵を買おうとして 手にその代金を持っているのか。
17:17 友はいずれの時にも愛する、 兄弟はなやみの時のために生れる。
17:18 知恵のない人は手をうって、 その隣り人の前で保証をする。
17:19 争いを好む者は罪を好む、 その門を高くする者は滅びを求める。
17:20 曲った心の者はさいわいを得ない、 みだりに舌をもって語る者は災に陥る。
 < 
17:21 愚かな子を生む者は嘆きを得る、 愚か者の父は喜びを得ない。
17:22 心の楽しみは良い薬である、 たましいの憂いは骨を枯らす。
17:23 悪しき者は人のふところからまいないを受けて、 さばきの道をまげる。
17:24 さとき者はその顔を知恵にむける、 しかし、愚かな者は目を地の果にそそぐ。
17:25 愚かな子はその父の憂いである、 またこれを産んだ母の痛みである。
 < 
17:26 正しい人を罰するのはよくない、 尊い人を打つのは悪い。
17:27 言葉を少なくする者は知識のある者、 心の冷静な人はさとき人である。
17:28 愚かな者も黙っているときは、知恵ある者と思われ、 そのくちびるを閉じている時は、さとき者と思われる。

* ----------------------------------------

箴言 第18章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

18:1 人と交わりをしない者は口実を捜し、 すべてのよい考えに激しく反対する。
18:2 愚かな者は悟ることを喜ばず、 ただ自分の意見を言い表わすことを喜ぶ。
18:3 悪しき者が来ると、卑しめもまた来る、 不名誉が来ると、はずかしめも共にくる。
18:4 人の口の言葉は深い水のようだ、 知恵の泉は、わいて流れる川である。
18:5 悪しき者をえこひいきすることは良くない、 正しい者をさばいて、悪しき者とすることも良くない。
 < 
18:6 愚かな者のくちびるは争いを起し、 その口はむち打たれることを招く。
18:7 愚かな者の口は自分の滅びとなり、 そのくちびるは自分を捕えるわなとなる。
18:8 人のよしあしをいう者の言葉は おいしい食物のようで、腹の奥にしみこむ。
18:9 その仕事を怠る者は、滅ぼす者の兄弟である。
18:10 主の名は堅固なやぐらのようだ、 正しい者はその中に走りこんで救を得る。
 < 
18:11 富める者の富はその堅き城である、 それは高き城壁のように彼を守る。
18:12 人の心の高ぶりは滅びにさきだち、 謙遜は栄誉にさきだつ。
18:13 事をよく聞かないで答える者は、 愚かであって恥をこうむる。
18:14 人の心は病苦をも忍ぶ、 しかし心の痛むときは、だれがそれに耐えようか。
18:15 さとき者の心は知識を得、 知恵ある者の耳は知識を求める。
 < 
18:16 人の贈り物は、その人のために道をひらき、 また尊い人の前に彼を導く。
18:17 先に訴え出る者は正しいように見える、 しかしその訴えられた人が来て、それを調べて、事は明らかになる。
18:18 くじは争いをとどめ、 かつ強い争い相手の間を決定する。
18:19 助けあう兄弟は堅固な城のようだ、 しかし争いは、やぐらの貫の木のようだ。
18:20 人は自分の言葉の結ぶ実によって、 満ち足り、そのくちびるの産物によって自ら飽きる。
 < 
18:21 死と生とは舌に支配される、 これを愛する者はその実を食べる。
18:22 妻を得る者は、良き物を得る、 かつ主から恵みを与えられる。
18:23 貧しい者は、あわれみを請い、 富める者は、はげしい答をする。
18:24 世には友らしい見せかけの友がある、 しかし兄弟よりもたのもしい友もある。

* ----------------------------------------

箴言 第19章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

19:1 正しく歩む貧しい者は、 曲ったことを言う愚かな者にまさる。
19:2 人が知識のないのは良くない、 足で急ぐ者は道に迷う。
19:3 人は自分の愚かさによって道につまずき、 かえって心のうちに主をうらむ。
19:4 富は多くの新しい友を作る、 しかし貧しい人はその友に捨てられる。
19:5 偽りの証人は罰を免れない、 偽りをいう者はのがれることができない。
 < 
19:6 気前のよい人にこびる者は多い、 人はみな贈り物をする人の友となる。
19:7 貧しい者はその兄弟すらもみなこれを憎む、 ましてその友はこれに遠ざからないであろうか。 言葉をかけてこれを呼んでも、 去って帰らないのである。
19:8 知恵を得る者は自分の魂を愛し、 悟りを保つ者は幸を得る。
19:9 偽りの証人は罰を免れない、 偽りをいう者は滅びる。
19:10 愚かな者が、ぜいたくな暮しをするのは、 ふさわしいことではない、 しもべたる者が、君たる者を治めるなどは、 なおさらである。
 < 
19:11 悟りは人に怒りを忍ばせる、 あやまちをゆるすのは人の誉である。
19:12 王の怒りは、ししのほえるようであり、 その恵みは草の上におく露のようである。
19:13 愚かな子はその父の災である、 妻の争うのは、雨漏りの絶えないのとひとしい。
19:14 家と富とは先祖からうけつぐもの、 賢い妻は主から賜わるものである。
19:15 怠りは人を熟睡させる、 なまけ者は飢える。
 < 
19:16 戒めを守る者は自分の魂を守る、 み言葉を軽んじる者は死ぬ。
19:17 貧しい者をあわれむ者は主に貸すのだ、 その施しは主が償われる。
19:18 望みのあるうちに、自分の子を懲らせ、 これを滅ぼす心を起してはならない。
19:19 怒ることの激しい者は罰をうける、 たとい彼を救ってやっても、 さらにくり返さねばならない。
19:20 勧めを聞き、教訓をうけよ、 そうすれば、ついには知恵ある者となる。
 < 
19:21 人の心には多くの計画がある、 しかしただ主の、み旨だけが堅く立つ。
19:22 人に望ましいのは、いつくしみ深いことである、 貧しい人は偽りをいう人にまさる。
19:23 主を恐れることは人を命に至らせ、 常に飽き足りて、災にあうことはない。
19:24 なまけ者は、手を皿に入れても、 それを口に持ってゆくことをしない。
19:25 あざける者を打て、そうすれば思慮のない者も慎む。 さとき者を戒めよ、そうすれば彼は知識を得る。
 < 
19:26 父に乱暴をはたらき、母を追い出す者は、 恥をきたらし、はずかしめをまねく子である。
19:27 わが子よ、知識の言葉をはなれて人を迷わせる 教訓を聞くことをやめよ。
19:28 悪い証人はさばきをあざけり、 悪しき者の口は悪をむさぼり食う。
19:29 さばきはあざける者のために備えられ、 むちは愚かな者の背のために備えられる。

* ----------------------------------------

箴言 第20章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

20:1 酒は人をあざける者とし、 濃い酒は人をあばれ者とする、 これに迷わされる者は無知である。
20:2 王の怒りは、ししがほえるようだ、 彼を怒らせる者は自分の命をそこなう。
20:3 争いに関係しないことは人の誉である、 すべて愚かな者は怒り争う。
20:4 なまけ者は寒いときに耕さない、 それゆえ刈入れのときになって、求めても何もない。
20:5 人の心にある計りごとは深い井戸の水のようだ、 しかし、さとき人はこれをくみ出す。
 < 
20:6 自分は真実だという人が多い、 しかし、だれが忠信な人に会うであろうか。
20:7 欠けた所なく、正しく歩む人―― その後の子孫はさいわいである。
20:8 さばきの座にすわる王は その目をもって、すべての悪をふるいわける。
20:9 だれが「わたしは自分の心を清めた、 わたしの罪は清められた」ということができようか。
20:10 互に違った二種のはかり、二種のますは、 ひとしく主に憎まれる。
 < 
20:11 幼な子でさえも、その行いによって自らを示し、 そのすることの清いか正しいかを現す。
20:12 聞く耳と、見る目とは、 ともに主が造られたものである。
20:13 眠りを愛してはならない、そうすれば貧しくなる、 目を開け、そうすればパンに飽くことができる。
20:14 買う者は、「悪い、悪い」という、 しかし去って後、彼は自ら誇る。
20:15 金もあり、価の高い宝石も多くあるが、 尊い器は知識のくちびるである。
 < 
20:16 人のために保証する者からは、まずその着物を取れ、 他人のために保証する者をば抵当に取れ。
20:17 欺き取ったパンはおいしい、 しかし後にはその口は砂利で満たされる。
20:18 計りごとは共に議することによって成る、 戦おうとするならば、まずよく議しなければならない。
20:19 歩きまわって人のよしあしをいう者は秘密をもらす、 くちびるを開いて歩く者と交わってはならない。
20:20 自分の父母をののしる者は、 そのともしびは暗やみの中に消える。
 < 
20:21 初めに急いで得た資産は、 その終りがさいわいでない。
20:22 「わたしが悪に報いる」と言ってはならない、 主を待ち望め、主はあなたを助けられる。
20:23 互に違った二種のふんどうは主に憎まれる、 偽りのはかりは良くない。
20:24 人の歩みは主によって定められる、 人はどうして自らその道を、 明らかにすることができようか。
20:25 軽々しく「これは聖なるささげ物だ」と言い、 また誓いを立てて後に考えることは、 その人のわなとなる。
 < 
20:26 知恵ある王は、 箕をもってあおぎ分けるように悪人を散らし、 車をもって脱穀するように、これを罰する。
20:27 人の魂は主のともしびであり、人の心の奥を探る。
20:28 いつくしみと、まこととは王を守る、 その位もまた正義によって保たれる。
20:29 若い人の栄えはその力、 老人の美しさはそのしらがである。
20:30 傷つくまでに打てば悪い所は清くなり、 むちで打てば心の底までも清まる。
 < 

* ----------------------------------------

箴言 第21章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

21:1 王の心は、主の手のうちにあって、 水の流れのようだ、 主はみこころのままにこれを導かれる。
21:2 人の道は自分の目には正しく見える、 しかし主は人の心をはかられる。
21:3 正義と公平を行うことは、 犠牲にもまさって主に喜ばれる。
21:4 高ぶる目とおごる心とは、 悪しき人のともしびであって、罪である。
21:5 勤勉な人の計画は、ついにその人を豊かにする、 すべて怠るものは貧しくなる。
 < 
21:6 偽りの舌をもって宝を得るのは、 吹きはらわれる煙、死のわなである。
21:7 悪しき者の暴虐はその身を滅ぼす、 彼らは公平を行うことを好まないからである。
21:8 罪びとの道は曲っている、 潔白な人の行いはまっすぐである。
21:9 争いを好む女と一緒に家におるよりは 屋根のすみにおるほうがよい。
21:10 悪しき者の魂は悪を行うことを願う、 その隣り人にも好意をもって見られない。
 < 
21:11 あざけるものが罰をうけるならば、 思慮のない者は知恵を得る。 知恵ある者が教をうけるならば知識を得る。
21:12 正しい神は、悪しき者の家をみとめて、 悪しき者を滅びに投げいれられる。
21:13 耳を閉じて貧しい者の呼ぶ声を聞かない者は、 自分が呼ぶときに、聞かれない。
21:14 ひそかな贈り物は憤りをなだめる、 ふところのまいないは激しい怒りを和らげる。
21:15 公義を行うことは、正しい者には喜びであるが、 悪を行う者には滅びである。
 < 
21:16 悟りの道を離れる人は、 死人の集会の中におる。
21:17 快楽を好む者は貧しい人となり、 酒と油とを好む者は富むことがない。
21:18 悪しき者は正しい者のあがないとなり、 不信実な者は正しい人に代る。
21:19 争い怒る女と共におるよりは、 荒野に住むほうがましだ。
21:20 知恵ある者の家には尊い宝があり、 愚かな人はこれを、のみ尽す。
 < 
21:21 正義といつくしみとを追い求める者は、 命と誉とを得る。
21:22 知恵ある者は強い者の城にのぼって、 その頼みとするとりでをくずす。
21:23 口と舌とを守る者は その魂を守って、悩みにあわせない。
21:24 高ぶりおごる者を「あざける者」となづける、 彼は高慢無礼な行いをするものである。
21:25 なまけ者の欲望は自分の身を殺す、 これはその手を働かせないからである。
 < 
21:26 悪しき者はひねもす人の物をむさぼる、 正しい者は与えて惜しまない。
21:27 悪しき者の供え物は憎まれる、 悪意をもってささげる時はなおさらである。
21:28 偽りの証人は滅ぼされる、 よく聞く人の言葉はすたることがない。
21:29 悪しき者はあつかましくし、 正しい人はその道をつつしむ。
21:30 主に向かっては知恵も悟りも、 計りごとも、なんの役にも立たない。
 < 
21:31 戦いの日のために馬を備える、 しかし勝利は主による。

* ----------------------------------------

箴言 第22章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

22:1 令名は大いなる富にまさり、 恩恵は銀や金よりも良い。
22:2 富める者と貧しい者とは共に世におる、 すべてこれを造られたのは主である。
22:3 賢い者は災を見て自ら避け、 思慮のない者は進んでいって、罰をうける。
22:4 謙遜と主を恐れることとの報いは、 富と誉と命とである。
22:5 よこしまな者の道にはいばらとわながあり、 たましいを守る者は遠くこれを離れる。
 < 
22:6 子をその行くべき道に従って教えよ、 そうすれば年老いても、それを離れることがない。
22:7 富める者は貧しき者を治め、 借りる者は貸す人の奴隷となる。
22:8 悪をまく者は災を刈り、 その怒りのつえはすたれる。
22:9 人を見て恵む者はめぐまれる、 自分のパンを貧しい人に与えるからである。
22:10 あざける者を追放すれば争いもまた去り、 かつ、いさかいも、はずかしめもなくなる。
 < 
22:11 心の潔白を愛する者、その言葉の上品な者は、 王がその友となる。
22:12 主の目は知識ある者を守る、 しかし主は不信実な者の言葉を敗られる。
22:13 なまけ者は言う、「ししがそとにいる、 わたしは、ちまたで殺される」と。
22:14 遊女の口は深い落し穴である、 主に憎まれる者はその中に陥る。
22:15 愚かなことが子供の心の中につながれている、 懲しめのむちは、これを遠く追いだす。
 < 
22:16 貧しい者をしえたげて自分の富を増そうとする者と、 富める者に与える者とは、ついに必ず貧しくなる。
22:17 あなたの耳を傾けて知恵ある者の言葉を聞き、 かつ、わたしの知識にあなたの心を用いよ。
22:18 これをあなたのうちに保ち、 ことごとく、あなたのくちびるに備えておくなら、 楽しいことである。
22:19 あなたが主に、寄り頼むことのできるように、 わたしはきょう、これをあなたにも教える。
22:20 わたしは、勧めと知識との三十の言葉を あなたのためにしるしたではないか。
 < 
22:21 それは正しいこと、真実なことをあなたに示し、 あなたをつかわした者に 真実の答をさせるためであった。
22:22 貧しい者を、貧しいゆえに、かすめてはならない、 悩む者を、町の門でおさえつけてはならない。
22:23 それは主が彼らの訴えをただし、 かつ彼らをそこなう者の命を、 そこなわれるからである。
22:24 怒る者と交わるな、憤る人と共に行くな。
22:25 それはあなたがその道にならって、 みずから、わなに陥ることのないためである。
 < 
22:26 あなたは人と手を打つ者となってはならない、 人の負債の保証をしてはならない。
22:27 あなたが償うものがないとき、 あなたの寝ている寝床までも、 人が奪い取ってよかろうか。
22:28 あなたの先祖が立てた古い地境を移してはならない。
22:29 あなたはそのわざに巧みな人を見るか、 そのような人は王の前に立つが、 卑しい人々の前には立たない。

* ----------------------------------------

箴言 第23章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35

23:1 治める人と共に座して食事するとき、 あなたの前にあるものを、よくわきまえ、
23:2 あなたがもし食をたしなむ者であるならば、 あなたののどに刀をあてよ。
23:3 そのごちそうをむさぼり食べてはならない、 これは人を欺く食物だからである。
23:4 富を得ようと苦労してはならない、 かしこく思いとどまるがよい。
23:5 あなたの目をそれにとめると、それはない、 富はたちまち自ら翼を生じて、 わしのように天に飛び去るからだ。
 < 
23:6 物惜しみする人のパンを食べてはならない、 そのごちそうをむさぼり願ってはならない。
23:7 彼は心のうちで勘定する人のように、 「食え、飲め」とあなたに言うけれども、 その心はあなたに真実ではない。
23:8 あなたはついにその食べた物を吐き出すようになり、 あなたのねんごろな言葉もむだになる。
23:9 愚かな者の耳に語ってはならない、 彼はあなたの言葉が示す知恵をいやしめるからだ。
23:10 古い地境を移してはならない、 みなしごの畑を侵してはならない。
 < 
23:11 彼らのあがない主は強くいらせられ、 あなたに逆らって彼らの訴えを弁護されるからだ。
23:12 あなたの心を教訓に用い、 あなたの耳を知識の言葉に傾けよ。
23:13 子を懲らすことを、さし控えてはならない、 むちで彼を打っても死ぬことはない。
23:14 もし、むちで彼を打つならば、 その命を陰府から救うことができる。
23:15 わが子よ、もしあなたの心が賢くあれば、 わたしの心もまた喜び、
 < 
23:16 もしあなたのくちびるが正しい事を言うならば、 わたしの心も喜ぶ。
23:17 心に罪びとをうらやんではならない、 ただ、ひねもす主を恐れよ。
23:18 かならず後のよい報いがあって、 あなたの望みは、すたらない。
23:19 わが子よ、よく聞いて、知恵を得よ、 かつ、あなたの心を道に向けよ。
23:20 酒にふけり、 肉をたしなむ者と交わってはならない。
 < 
23:21 酒にふける者と、肉をたしなむ者とは貧しくなり、 眠りをむさぼる者は、ぼろを身にまとうようになる。
23:22 あなたを生んだ父のいうことを聞き、 年老いた母を軽んじてはならない。
23:23 真理を買え、これを売ってはならない、 知恵と教訓と悟りをも買え。
23:24 正しい人の父は大いによろこび、 知恵ある子を生む者は子のために楽しむ。
23:25 あなたの父母を楽しませ、 あなたを産んだ母を喜ばせよ。
 < 
23:26 わが子よ、あなたの心をわたしに与え、 あなたの目をわたしの道に注げ。
23:27 遊女は深い穴のごとく、 みだらな女は狭い井戸のようだ。
23:28 彼女は盗びとのように人をうかがい、 かつ世の人のうちに、不信実な者を多くする。
23:29 災ある者はだれか、憂いある者はだれか、 争いをする者はだれか、煩いある者はだれか、 ゆえなく傷をうける者はだれか、 赤い目をしている者はだれか。
23:30 酒に夜をふかす者、 行って、混ぜ合わせた酒を味わう者である。
 < 
23:31 酒はあかく、杯の中にあわだち、なめらかにくだる、 あなたはこれを見てはならない。
23:32 これはついに、へびのようにかみ、 まむしのように刺す。
23:33 あなたの目は怪しいものを見、 あなたの心は偽りを言う。
23:34 あなたは海の中に寝ている人のように、 帆柱の上に寝ている人のようになる。
23:35 あなたは言う、 「人がわたしを撃ったが、わたしは痛くはなかった。 わたしを、たたいたが、わたしは何も覚えはない。 いつわたしはさめるのか、 また酒を求めよう」と。
 < 

* ----------------------------------------

箴言 第24章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

24:1 悪を行う人をうらやんではならない、 また彼らと共におることを願ってはならない。
24:2 彼らはその心に強奪を計り、 そのくちびるに人をそこなうことを語るからである。
24:3 家は知恵によって建てられ、悟りによって堅くせられ、
24:4 また、へやは知識によってさまざまの尊く、 麗しい宝で満たされる。
24:5 知恵ある者は強い人よりも強く、 知識ある人は力ある人よりも強い。
 < 
24:6 良い指揮によって戦いをすることができ、 勝利は多くの議する者がいるからである。
24:7 知恵は高くて愚かな者の及ぶところではない、 愚かな者は門で口を開くことができない。
24:8 悪を行うことを計る者を 人はいたずら者ととなえる。
24:9 愚かな者の計るところは罪であり、 あざける者は人に憎まれる。
24:10 もしあなたが悩みの日に気をくじくならば、 あなたの力は弱い。
 < 
24:11 死地にひかれゆく者を助け出せ、 滅びによろめきゆく者を救え。
24:12 あなたが、われわれはこれを知らなかったといっても、 心をはかる者はそれを悟らないであろうか。 あなたの魂を守る者はそれを知らないであろうか。 彼はおのおのの行いにより、人に報いないであろうか。
24:13 わが子よ、蜜を食べよ、これは良いものである、 また、蜂の巣のしたたりはあなたの口に甘い。
24:14 知恵もあなたの魂にはそのようであることを知れ。 それを得るならば、かならず報いがあって、あなたの望みは、すたらない。
24:15 悪しき者がするように、 正しい者の家をうかがってはならない、 その住む所に乱暴をしてはならない。
 < 
24:16 正しい者は七たび倒れても、また起きあがる、 しかし、悪しき者は災によって滅びる。
24:17 あなたのあだが倒れるとき楽しんではならない、 彼のつまずくとき心に喜んではならない。
24:18 主はそれを見て悪いこととし、 その怒りを彼から転じられる。
24:19 悪を行う者のゆえに心を悩ましてはならない、 よこしまな者をうらやんではならない。
24:20 悪しき者には後の良い報いはない、 よこしまな者のともしびは消される。
 < 
24:21 わが子よ、主と王とを恐れよ、 そのいずれにも不従順であってはならない。
24:22 その災はたちまち起るからである。 この二つの者からくる滅びをだれが知り得ようか。
24:23 これらもまた知恵ある者の箴言である。 片寄ったさばきをするのは、よくない。
24:24 悪しき者に向かって、「あなたは正しい」という者を、 人々はのろい、諸民は憎む。
24:25 悪しき者をせめる者は恵みを得る、 また幸福が与えられる。
 < 
24:26 正しい答をする者は、 くちびるに、口づけするのである。
24:27 外で、あなたの仕事を整え、 畑で、すべての物をおのれのために備え、 その後あなたの家を建てるがよい。
24:28 ゆえなく隣り人に敵して、証言をしてはならない、 くちびるをもって欺いてはならない。
24:29 「彼がわたしにしたように、わたしも彼にしよう、 わたしは人がしたところにしたがって、 その人に報いよう」と言ってはならない。
24:30 わたしはなまけ者の畑のそばと、 知恵のない人のぶどう畑のそばを通ってみたが、
 < 
24:31 いばらが一面に生え、あざみがその地面をおおい、 その石がきはくずれていた。
24:32 わたしはこれをみて心をとどめ、 これを見て教訓を得た。
24:33 「しばらく眠り、しばらくまどろみ、 手をこまぬいて、またしばらく休む」。
24:34 それゆえ、貧しさは盗びとのように、あなたに来、 乏しさは、つわもののように、あなたに来る。

* ----------------------------------------

箴言 第25章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

25:1 これらもまたソロモンの箴言であり、 ユダの王ヒゼキヤに属する人々がこれを書き写した。
25:2 事を隠すのは神の誉であり、 事を窮めるのは王の誉である。
25:3 天の高さと地の深さと、 王たる者の心とは測ることができない。
25:4 銀から、かなくそを除け、 そうすれば、銀細工人が器を造る材料となる。
25:5 王の前から悪しき者を除け、 そうすれば、その位は正義によって堅く立つ。
 < 
25:6 王の前で自ら高ぶってはならない、 偉い人の場に立ってはならない。
25:7 尊い人の前で下にさげられるよりは、 「ここに上がれ」といわれるほうがましだ。
25:8 あなたが目に見たことを、 軽々しく法廷に出してはならない。 あとになり、あなたが隣り人にはずかしめられるとき、 あなたはどうしようとするのか。
25:9 隣り人と争うことがあるならば、ただその人と争え、 他人の秘密をもらしてはならない。
25:10 そうでないと、聞く者があなたをいやしめ、 あなたは、いつまでもそしられる。
 < 
25:11 おりにかなって語る言葉は、 銀の彫り物に金のりんごをはめたようだ。
25:12 知恵をもって戒める者は、これをきく者の耳にとって、 金の耳輪、精金の飾りのようだ。
25:13 忠実な使者はこれをつかわす者にとって、 刈入れの日に冷やかな雪があるようだ、 よくその主人の心を喜ばせる。
25:14 贈り物をすると偽って誇る人は、 雨のない雲と風のようだ。
25:15 忍耐をもって説けば君も言葉をいれる、 柔らかな舌は骨を砕く。
 < 
25:16 蜜を得たならば、ただ足るほどにこれを食べよ、 おそらくは食べすごして、それを吐き出すであろう。
25:17 隣り人の家に足をしげくしてはならない、 おそらくは彼は煩わしくなって、 あなたを憎むようになろう。
25:18 隣り人に敵して偽りのあかしを立てる人は、 こん棒、つるぎ、または鋭い矢のようだ。
25:19 悩みに会うとき不信実な者を頼みにするのは、 悪い歯、またはなえた足を頼みとするようなものだ。
25:20 心の痛める人の前で歌をうたうのは、 寒い日に着物を脱ぐようであり、 また傷の上に酢をそそぐようだ。
 < 
25:21 もしあなたのあだが飢えているならば、 パンを与えて食べさせ、 もしかわいているならば水を与えて飲ませよ。
25:22 こうするのは、火を彼のこうべに積むのである、 主はあなたに報いられる。
25:23 北風は雨を起し、 陰言をいう舌は人の顔を怒らす。
25:24 争いを好む女と一緒に家におるよりは、 屋根のすみにおるほうがよい。
25:25 遠い国から来るよい消息は、 かわいている人が飲む冷やかな水のようだ。
 < 
25:26 正しい者が悪い者の前に屈服するのは、 井戸が濁ったよう、また泉がよごれたようなものだ。
25:27 蜜を多く食べるのはよくない、 ほめる言葉は控え目にするがよい。
25:28 自分の心を制しない人は、 城壁のない破れた城のようだ。

* ----------------------------------------

箴言 第26章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

26:1 誉が愚かな者にふさわしくないのは、 夏に雪が降り、刈入れの時に雨が降るようなものだ。
26:2 いわれのないのろいは、飛びまわるすずめや、 飛びかけるつばめのようなもので、止まらない。
26:3 馬のためにはむちがあり、 ろばのためにはくつわがあり、 愚かな者の背のためにはつえがある。
26:4 愚かな者にその愚かさにしたがって答をするな、 自分も彼と同じようにならないためだ。
26:5 愚かな者にその愚かさにしたがって答をせよ、 彼が自分の目に自らを知恵ある者と見ないためだ。
 < 
26:6 愚かな者に託して事を言い送る者は、 自分の足を切り去り、身に害をうける。
26:7 あしなえの足は用がない、 愚かな者の口には箴言もそれにひとしい。
26:8 誉を愚かな者に与えるのは、 石を石投げにつなぐようだ。
26:9 愚かな者の口に箴言があるのは、 酔った者が、とげのあるつえを手で振り上げるようだ。
26:10 通りがかりの愚か者や、酔った者を雇う者は、 すべての人を傷つける射手のようだ。
 < 
26:11 犬が帰って来てその吐いた物を食べるように、 愚かな者はその愚かさをくり返す。
26:12 自分の目に自らを知恵ある者とする人を、 あなたは見るか、 彼よりもかえって愚かな人に望みがある。
26:13 なまけ者は、「道にししがいる、 ちまたにししがいる」という。
26:14 戸がちょうつがいによって回るように、 なまけ者はその寝床で寝返りをする。
26:15 なまけ者は手を皿に入れても、 それを口に持ってゆくことをいとう。
 < 
26:16 なまけ者は自分の目に、 良く答えることのできる七人の者よりも、 自らを知恵ありとする。
26:17 自分に関係のない争いにたずさわる者は、 通りすぎる犬の耳をとらえる者のようだ。
26:18
26:19 隣り人を欺いて、 「わたしはただ戯れにした」という者は、 燃え木または矢、または死を、 投げつける気違いのようだ。
26:20 たきぎがなければ火は消え、 人のよしあしを言う者がなければ争いはやむ。
 < 
26:21 おき火に炭をつぎ、火にたきぎをくべるように、 争いを好む人は争いの火をおこす。
26:22 人のよしあしをいう者の言葉は おいしい食物のようで、腹の奥にしみこむ。
26:23 くちびるはなめらかであっても、心の悪いのは 上ぐすりをかけた土の器のようだ。
26:24 憎む者はくちびるをもって自ら飾るけれども、 心のうちには偽りをいだく。
26:25 彼が声をやわらげて語っても、信じてはならない。 その心に七つの憎むべきものがあるからだ。
 < 
26:26 たとい偽りをもってその憎しみをかくしても、 彼の悪は会衆の中に現れる。
26:27 穴を掘る者は自らその中に陥る、 石をまろばしあげる者の上に、その石はまろびかえる。
26:28 偽りの舌は自分が傷つけた者を憎み、 へつらう口は滅びをきたらせる。

* ----------------------------------------

箴言 第27章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

27:1 あすのことを誇ってはならない、 一日のうちに何がおこるかを 知ることができないからだ。
27:2 自分の口をもって自らをほめることなく、 他人にほめさせよ。 自分のくちびるをもってせず、 ほかの人にあなたをほめさせよ。
27:3 石は重く、砂も軽くはない、 しかし愚かな者の怒りはこの二つよりも重い。
27:4 憤りはむごく、怒りははげしい、 しかしねたみの前には、だれが立ちえよう。
27:5 あからさまに戒めるのは、 ひそかに愛するのにまさる。
 < 
27:6 愛する者が傷つけるのは、まことからであり、 あだの口づけするのは偽りからである。
27:7 飽いている者は蜂蜜をも踏みつける、 しかし飢えた者には苦い物でさえ、みな甘い。
27:8 その家を離れてさまよう人は、 巣を離れてさまよう鳥のようだ。
27:9 油と香とは人の心を喜ばせる、 しかし魂は悩みによって裂かれる。
27:10 あなたの友、あなたの父の友を捨てるな、 あなたが悩みにあう日には兄弟の家に行くな、 近い隣り人は遠くにいる兄弟にまさる。
 < 
27:11 わが子よ、知恵を得て、わたしの心を喜ばせよ、 そうすればわたしをそしる者に答えることができる。
27:12 賢い者は災を見て自ら避け、 思慮のない者は進んでいって、罰をうける。
27:13 人のために保証する者からは、まずその着物をとれ、 他人のために保証をする者をば抵当に取れ。
27:14 朝はやく起きて大声にその隣り人を祝すれば、 かえってのろいと見なされよう。
27:15 雨の降る日に雨漏りの絶えないのと、 争い好きな女とは同じだ。
 < 
27:16 この女を制するのは風を制するのとおなじく、 右の手に油をつかむのとおなじだ。
27:17 鉄は鉄をとぐ、 そのように人はその友の顔をとぐ。
27:18 いちじくの木を守る者はその実を食べる、 主人を尊ぶ者は誉を得る。
27:19 水にうつせば顔と顔とが応じるように、 人の心はその人をうつす。
27:20 陰府と滅びとは飽くことなく、 人の目もまた飽くことがない。
 < 
27:21 るつぼによって銀をためし、 炉によって金をためす、 人はその称賛によってためされる。
27:22 愚かな者をうすに入れ、 きねをもって、麦と共にこれをついても、 その愚かさは去ることがない。
27:23 あなたの羊の状態をよく知り、 あなたの群れに心をとめよ。
27:24 富はいつまでも続くものではない、 どうして位が末代までも保つであろうか。
27:25 草が刈り取られ、新しい芽がのび、 山の牧草も集められると、
 < 
27:26 小羊はあなたの衣料を出し、 やぎは畑を買う価となり、
27:27 やぎの乳は多くて、 あなたと、あなたの家のものの食物となり、 おとめらを養うのにじゅうぶんである。

* ----------------------------------------

箴言 第28章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

28:1 悪しき者は追う人もないのに逃げる、 正しい人はししのように勇ましい。
28:2 国の罪によって、治める者は多くなり、 さとく、また知識ある人によって、国はながく保つ。
28:3 貧しい者をしえたげる貧しい人は、 糧食を残さない激しい雨のようだ。
28:4 律法を捨てる者は悪しき者をほめる、 律法を守る者はこれに敵対する。
28:5 悪人は正しいことを悟らない、 主を求める者はこれをことごとく悟る。
 < 
28:6 正しく歩む貧しい者は、 曲った道を歩む富める者にまさる。
28:7 律法を守る者は賢い子である、 不品行な者と交わるものは、父をはずかしめる。
28:8 利息と高利とによってその富をます者は、 貧しい者を恵む者のために、それをたくわえる。
28:9 耳をそむけて律法を聞かない者は、 その祈でさえも憎まれる。
28:10 正しい者を悪い道に惑わす者は、 みずから自分の穴に陥る、 しかし誠実な人は幸福を継ぐ。
 < 
28:11 富める人は自分の目に自らを知恵ある者と見る、 しかし悟りのある貧しい者は彼を見やぶる。
28:12 正しい者が勝つときは、大いなる栄えがある、 悪しき者が起るときは、民は身をかくす。
28:13 その罪を隠す者は栄えることがない、 言い表わしてこれを離れる者は、あわれみをうける。
28:14 常に主を恐れる人はさいわいである、 心をかたくなにする者は災に陥る。
28:15 貧しい民を治める悪いつかさは、 ほえるしし、または飢えたくまのようだ。
 < 
28:16 悟りのないつかさは残忍な圧制者である、 不正の利を憎む者は長命を得る。
28:17 人を殺してその血を身に負う者は 死ぬまで、のがれびとである、 だれもこれを助けてはならない。
28:18 正しく歩む者は救を得、 曲った道に歩む者は穴に陥る。
28:19 自分の田地を耕す者は食糧に飽き、 無益な事に従う者は貧乏に飽きる。
28:20 忠実な人は多くの祝福を得る、 急いで富を得ようとする者は罰を免れない。
 < 
28:21 人を片寄り見ることは良くない、 人は一切れのパンのために、とがを犯すことがある。
28:22 欲の深い人は急いで富を得ようとする、 かえって欠乏が自分の所に来ることを知らない。
28:23 人を戒める者は舌をもってへつらう者よりも、 大いなる感謝をうける。
28:24 父や母の物を盗んで「これは罪ではない」と言う者は、 滅ぼす者の友である。
28:25 むさぼる者は争いを起し、 主に信頼する者は豊かになる。
 < 
28:26 自分の心を頼む者は愚かである、 知恵をもって歩む者は救を得る。
28:27 貧しい者に施す者は物に不足しない、 目をおおって見ない人は多くののろいをうける。
28:28 悪しき者が起るときは、民は身をかくす、 その滅びるときは、正しい人が増す。

* ----------------------------------------

箴言 第29章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

29:1 しばしばしかられても、 なおかたくなな者は、 たちまち打ち敗られて助かることはない。
29:2 正しい者が権力を得れば民は喜び、 悪しき者が治めるとき、民はうめき苦しむ。
29:3 知恵を愛する人はその父を喜ばせ、 遊女に交わる者はその資産を浪費する。
29:4 王は公儀をもって国を堅くする、 しかし、重税を取り立てる者はこれを滅ぼす。
29:5 その隣り人にへつらう者は、 彼の足の前に網を張る。
 < 
29:6 悪人は自分の罪のわなに陥る、 しかし正しい人は喜び楽しむ。
29:7 正しい人は貧しい者の訴えをかえりみる、 悪しき人はそれを知ろうとはしない。
29:8 あざける人は町を乱し、 知恵ある者は怒りを静める。
29:9 知恵ある人が愚かな人と争うと、 愚かな者はただ怒り、 あるいは笑って、休むことがない。
29:10 血に飢えている人は罪のない者を憎む、 悪しき者は彼の命を求める。
 < 
29:11 愚かな者は怒りをことごとく表わし、 知恵ある者は静かにこれをおさえる。
29:12 もし治める者が偽りの言葉に聞くならば、 その役人らはみな悪くなる。
29:13 貧しい者と、しえたげる者とは共に世におる、 主は彼ら両者の目に光を与えられる。
29:14 もし王が貧しい者を公平にさばくならば、 その位はいつまでも堅く立つ。
29:15 むちと戒めとは知恵を与える、 わがままにさせた子はその母に恥をもたらす。
 < 
29:16 悪しき者が権力を得ると罪も増す、 正しい者は彼らの倒れるのを見る。
29:17 あなたの子を懲しめよ、 そうすれば彼はあなたを安らかにし、 またあなたの心に喜びを与える。
29:18 預言がなければ民はわがままにふるまう、 しかし律法を守る者はさいわいである。
29:19 しもべは言葉だけで訓練することはできない、 彼は聞いて知っても、心にとめないからである。
29:20 言葉の軽率な人を見るか、 彼よりもかえって愚かな者のほうに望みがある。
 < 
29:21 しもべをその幼い時からわがままに育てる人は、 ついにはそれを自分のあとつぎにする。
29:22 怒る人は争いを起し、 憤る人は多くの罪を犯す。
29:23 人の高ぶりはその人を低くし、 心にへりくだる者は誉を得る。
29:24 盗びとにくみする者は自分の魂を憎む、 彼はのろいを聞いても何事をも口外しない。
29:25 人を恐れると、わなに陥る、 主に信頼する者は安らかである。
 < 
29:26 治める者の歓心を得ようとする人は多い、 しかし人の事を定めるのは主による。
29:27 正しい人は不正を行う人を憎み、 悪しき者は正しく歩む人を憎む。

* ----------------------------------------

箴言 第30章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33

30:1 マッサの人ヤケの子アグルの言葉。 その人はイテエルに向かって言った、 すなわちイテエルと、ウカルとに向かって言った、
30:2 わたしは確かに人よりも愚かであり、 わたしには人の悟りがない。
30:3 わたしはまだ知恵をならうことができず、 また、聖なる者を悟ることもできない。
30:4 天にのぼったり、下ったりしたのはだれか、 風をこぶしの中に集めたのはだれか、 水を着物に包んだのはだれか、 地のすべての限界を定めた者はだれか、 その名は何か、その子の名は何か、 あなたは確かにそれを知っている。
30:5 神の言葉はみな真実である、 神は彼に寄り頼む者の盾である。
 < 
30:6 その言葉に付け加えてはならない、 彼があなたを責め、あなたを偽り者とされないためだ。
30:7 わたしは二つのことをあなたに求めます、 わたしの死なないうちに、これをかなえてください。
30:8 うそ、偽りをわたしから遠ざけ、 貧しくもなく、また富みもせず、 ただなくてならぬ食物でわたしを養ってください。
30:9 飽き足りて、あなたを知らないといい、 「主とはだれか」と言うことのないため、 また貧しくて盗みをし、 わたしの神の名を汚すことのないためです。
30:10 あなたは、しもべのことをその主人に、 あしざまにいってはならない、 そうでないと彼はあなたをのろい、 あなたは罪をきせられる。
 < 
30:11 世には父をのろったり、母を祝福しない者がある。
30:12 世には自分の目にみずからを清い者として、 なおその汚れを洗われないものがある。
30:13 世にはまた、このような人がある―― ああ、その目のいかに高きことよ、 またそのまぶたのいかにつりあがっていることよ。
30:14 世にはまたつるぎのような歯をもち、 刀のようなきばをもって、 貧しい者を地の上から、 乏しい者を人の中から食い滅ぼすものがある。
30:15 蛭にふたりの娘があって、 「与えよ、与えよ」という。 飽くことを知らないものが三つある、 いや、四つあって、 皆「もう、たくさんです」と言わない。
 < 
30:16 すなわち陰府、不妊の胎、水にかわく地、 「もう、たくさんだ」といわない火がそれである。
30:17 自分の父をあざけり、 母に従うのを卑しいこととする目は、 谷のからすがこれをつつき出し、 はげたかがこれを食べる。
30:18 わたしにとって不思議にたえないことが三つある、 いや、四つあって、わたしには悟ることができない。
30:19 すなわち空を飛ぶはげたかの道、 岩の上を這うへびの道、 海をはしる舟の道、 男の女にあう道がそれである。
30:20 遊女の道もまたそうだ、 彼女は食べて、その口をぬぐって、 「わたしは何もわるいことはしない」と言う。
 < 
30:21 地は三つのことによって震う、 いや、四つのことによって、耐えることができない。
30:22 すなわち奴隷たる者が王となり、 愚かな者が食物に飽き、
30:23 忌みきらわれた女が嫁に行き、 はしためが女主人のあとにすわることである。
30:24 この地上に、小さいけれども、 非常に賢いものが四つある。
30:25 ありは力のない種類だが、 その食糧を夏のうちに備える。
 < 
30:26 岩だぬきは強くない種類だが、 その家を岩につくる。
30:27 いなごは王がないけれども、 みな隊を組んでいで立つ。
30:28 やもりは手でつかまえられるが、 王の宮殿におる。
30:29 歩きぶりの堂々たる者が三つある、 いや、四つあって、みな堂々と歩く。
30:30 すなわち獣のうちでもっとも強く、 何ものの前にも退かない、しし、
 < 
30:31 尾を立てて歩くおんどり、雄やぎ、 その民の前をいばって歩く王がそれである。
30:32 あなたがもし愚かであって自ら高ぶり、 あるいは悪事を計ったならば、 あなたの手を口に当てるがよい。
30:33 乳をしめれば凝乳が出る、 鼻をしめれば血がでる、 怒りをしめれば争いが起る。

* ----------------------------------------

箴言 第31章  <  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

31:1 マッサの王レムエルの言葉、すなわちその母が彼に教えたものである。
31:2 わが子よ、何を言おうか。 わが胎の子よ、何を言おうか。 わたしが願をかけて得た子よ、 何をいおうか。
31:3 あなたの力を女についやすな、 王をも滅ぼすものに、あなたの道を任せるな。
31:4 レムエルよ、酒を飲むのは、王のすることではない、 王のすることではない、 濃い酒を求めるのは君たる者のすることではない。
31:5 彼らは酒を飲んで、おきてを忘れ、 すべて悩む者のさばきを曲げる。
 < 
31:6 濃い酒を滅びようとしている者に与え、 酒を心の苦しむ人に与えよ。
31:7 彼らは飲んで自分の貧乏を忘れ、 その悩みをもはや思い出さない。
31:8 あなたは黙っている人のために、 すべてのみなしごの訴えのために、口を開くがよい。
31:9 口を開いて、正しいさばきを行い、 貧しい者と乏しい者の訴えをただせ。
31:10 だれが賢い妻を見つけることができるか、 彼女は宝石よりもすぐれて尊い。
 < 
31:11 その夫の心は彼女を信頼して、 収益に欠けることはない。
31:12 彼女は生きながらえている間、 その夫のために良いことをして、悪いことをしない。
31:13 彼女は羊の毛や亜麻を求めて、 手ずから望みのように、それを仕上げる。
31:14 また商人の舟のように、 遠い国から食糧を運んでくる。
31:15 彼女はまだ夜のあけぬうちに起きて、 その家の者の食べ物を備え、 その女たちに日用の分を与える。
 < 
31:16 彼女は畑をよく考えてそれを買い、 その手の働きの実をもって、ぶどう畑をつくり、
31:17 力をもって腰に帯し、その腕を強くする。
31:18 彼女はその商品のもうけのあるのを知っている、 そのともしびは終夜消えることがない。
31:19 彼女は手を糸取り棒にのべ、 その手に、つむを持ち、
31:20 手を貧しい者に開き、 乏しい人に手をさしのべる。
 < 
31:21 彼女はその家の者のために雪を恐れない、 その家の者はみな紅の着物を着ているからである。
31:22 彼女は自分のために美しいしとねを作り、 亜麻布と紫布とをもってその着物とする。
31:23 その夫はその地の長老たちと共に、 町の門に座するので、人に知られている。
31:24 彼女は亜麻布の着物をつくって、それを売り、 帯をつくって商人に渡す。
31:25 力と気品とは彼女の着物である、 そして後の日を笑っている。
 < 
31:26 彼女は口を開いて知恵を語る、 その舌にはいつくしみの教がある。
31:27 彼女は家の事をよくかえりみ、 怠りのかてを食べることをしない。
31:28 その子らは立ち上がって彼女を祝し、 その夫もまた彼女をほめたたえて言う、
31:29 「りっぱに事をなし遂げる女は多いけれども、 あなたはそのすべてにまさっている」と。
31:30 あでやかさは偽りであり、美しさはつかのまである、 しかし主を恐れる女はほめたたえられる。
 < 
31:31 その手の働きの実を彼女に与え、 その行いのために彼女を町の門でほめたたえよ。
* ----------------------------------------

終結  < 
































Proverbs

Bible - Japanese Colloquial (JCO)